逆さま「パフォーマンス」論実践のこと


ちょっと前ですが、大阪・京阪なにわ橋駅アートエリアB1で行われたワークショップのこと。
梅田哲也氏・垣尾優氏が、一見逆さまに見える方法で“パフォーマンス”を紐解く、というワークショップ。
二人がどのような内容のワークショップをしたかという説明はここでは省略します。

梅田さんと垣尾さん、二人ともそれぞれに“誰でもできるパフォーマンスの基本のようなもの?”を参加した皆に提示して、共有してくれた。
どちらもすごく楽しかった。参加者だけが共有できた、秘密の遊びでした。

両者のワークショップの内容は全く違ったけれど、
両方とも通して見ていたので、気づいた共通点があり、それは、
1、“他者に指示された動作を行う”ことを皆にやらせたということ。
2、“ここにいる人全員での共同作業”だと強く意識させるということ。
3、“指示された事をやる以外は、決まったルールの上で各人がそれぞれ自由に動く”ということ。

参加した方は、梅田さんや垣尾さんが言う突拍子もない事を、言われた通りにやっていると、最終的に全員でなんか楽しいパフォーマンスが仕上がっている、という、不思議とも言える体験ができたのではないでしょうか。

ワークショップなのでもちろん観客はいないのだけど、
私は子守りしながら全日見学(梅ちゃんの回はちょっと参加したり)していて、
垣尾さんの回には他に見学に来た方もいて、
その人も言っていたけど、外から見ていると、参加者の皆さんが動いている様は
「十分パフォーマンスとして面白いし〜(関西弁)」
という感じで、
皆さんはパフォーマンスしているつもりがない身体だけど、傍から見るとパフォーマンスしているよう、という。
「他者からの目」というものが、確実にそこにあるのです。

梅田さんの回では Googleハングアウトで世界配信。
垣尾さんの回では 皆で映画を撮る、という設定。
常に“見ている人”の目を、持ってる。

それだけで、パフォーマンスになるのだから
出演者、パフォーマーに「パフォーマンスしてますよ〜」という意識や身体は必要ない。

そこで思うのは、やっぱり素晴らしいと思う役者やダンサーは、
別にパフォーマンスしてますよ〜オーラが凄いんじゃなくて
その動作や行動や台詞が、必然で自然で本当で、その場にいると自意識とかは消えてしまってる。
でも他人の目は分かる。
他人の目を気にして自意識を出すんじゃなくて、自意識がないから他人の目がよく分かる。
そんな感じ。
体は普通。ニュートラル。自意識は体に出る。

私もすごく楽しい本番の時間は、自分なんて空間に溶けてなくなっている(もしくは一緒になっている)のを感じてるのかもしれん。
すごくリラックスした体で。
そして、周りで起こっている事がいつもよりすごくよく分かる。
という事に気づいた。

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